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現実と虚構空間と

5月は多くの中学で、中3生の修学旅行と体育祭が実施されたようです。多くの大人たちにとって、修学旅行の思い出は名所旧跡を見た感動よりも、仲間と一緒のグループ活動や、ちょっとしたルール破りにウエイトがあるようです。ところが通信制高校に通ってきている生徒たちの話を聞くと、このグループ活動が最も苦手で、そこで生まれたぎくしゃくが修学旅行全体の印象を悪くしている、ということを聞きます。

一方通信の高校生のもう一つのつらい思い出は、親しかったラインの仲間からある日突然はじかれたり、アップした個人情報が勝手に流用されてしまって、全く知らない友達からそのことを指摘されてしまった思い出です。つい4~5年前までは、スマートフォンなどというものが出回っていませんでしたので、ケータイは単なる通信手段だったわけですが、今ではスマホの中の方が「現実」のリアリティを上回る「虚構空間」に成りあがっているように思われます。そして何かと生き方がヘタな通信の子どもたちは、その現実と虚構空間の両方からはじかれてしまったということが多いようです。

通信制高校に通ってくる子どもたちの多くは、右のような体験を通して、十分に傷ついていますから、その両方の空間から距離を取ることを学んできているように思われます。